フジロックの取り組みと社会的ムーブメントとの関わり
1997年の初開催以来、フジロックは「自然との共生」をかかげ、自然環境や社会の課題を考えるキッカケを提供しています。
環境・平和・人権などのNGO団体によるステージアピールや、NGOヴィレッジの開設など、さまざまな社会的活動を紹介する環境を整えメッセージを発信すると共に、会場内におけるバイオディーゼル燃料や太陽光発電などのクリーンエネルギーの導入・実践を通じて、エネルギー転換をアピールし、自然との共生を目指してきました。
2011年の東京電力福島第一原発の事故を受けて、フジロックは、80年代から継承される反核・脱原発イベント「アトミック・カフェ」に会場内のNGOヴィレッジ、Gypsy Avalonステージの一部を提供し、「社会の課題」を考えるムーブメントを応援しています。
2022年のアトミック・カフェについて
今年も、Gypsy Avalonにて、3日間それぞれのテーマでトークとライブを行います。
- 7月29日(金)
- 初日のテーマは「戦争と平和」です。この日は初の2部構成で行います。 まずは、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、「戦争と平和・ウクライナ」をテーマに、ダースレイダー&プチ鹿島がトークを、THE BASSONSがライブを行います。 さらに1972年の沖縄返還から50年という節目の年でもあることから「戦争と平和・オキナワ」をテーマに、ジョー横溝とORANGE RANGEのベーシストYOHを迎えトークを、ORANGE RANGEがアコースティックセットでライブを行います。
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7月30日(土)
- 2日目のテーマは「気候クライシスと原発」。現代において最も深刻な問題のひとつである気候クライシスと原発問題をテーマに、いとうせいこう、ジョー横溝、斎藤幸平がトークを展開。ライブは、いとうせいこう is the poet with 満島ひかりがパフォーマンスを行います。
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7月31日(日)
- 最終日のテーマは「反戦、平和、ウクライナ」。 再びウクライナ問題を取り上げ、ロシアによるウクライナ侵攻において原発の問題が取り沙汰されている今、原子力資料情報室のメンバーを招き戦争と核の問題についてトークを行います。ライブは、1984年のThe Atomic Cafe Festivalにおいて記憶に残るパフォーマンスを披露した尾崎豊さんの子供でミュージシャンの尾崎裕哉が登場。今年のThe Atomic Cafeのライブパフォーマンスの大トリを務めます。
MCは津田大介が担当。3日間トークステージにも登場します。
今年は開催期間中、4ステージという例年にはない特別なアトミック・カフェ。みなさんの参加をお待ちしています。
「Gypsy Avalon」ステージ
7/29(金) |
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7/30(土) |
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7/31(日) |
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The Atomic Café
1957年、イギリスで核軍縮キャンペーン(CND)が設立され、鳥の足を模したようなピースマークが反核のシンボルとして使用されるようになる。その後1979年にジャクソン・ブラウンやブルース・スプリングスティーンが出演したNO NUKES(反核・反原子力)を掲げたコンサートが行われ、80年代には英・グラストンベリーフェスティバルのステージにシンボルのピースマークが掲げられたり、核や原子力についてのプロパガンダ映像を集めた映画『アトミック・カフェ』が全米で公開されるなど、世界的に反核・反原子力への意識が高まる。そんな中日本でも 1984年に音楽業界の有志が集まって反核コンサート「The Atomic Cafe Festival」を日比谷野音で行った。核や原発の問題をもっと知ってもらおうと浜田省吾、尾崎豊らが出演した。
その2年後の1986年、チェルノブイリで大きな原発事故が起こり、コンサートだけではなく原発が抱えるリスクを伝えるトークイベントも開催するようになる。
その後、The Atomic Caféは一旦活動を休止するものの、2011年にフジロックで復活。以降、毎年Gypsy Avalonにて脱原発、エネルギーシフトの問題を中心に、環境や平和など様々な社会の課題にコミットしたトークとライブイベントを開催している。